日本の外食業界では、「アジア料理」の存在感が年々高まっています。
その中でも、最もトレンドを牽引しているのが韓国料理です。
チーズドッグ、チーズタッカルビ、トッポギ、ピンス(韓国かき氷)、クロッフル…。
次々と日本に新しいブームを生み出し、SNSを中心に“文化現象”として定着してきました。
この記事では、
- 韓国料理のブームの背景と特徴
- 韓国料理が「カルチャー」として広がる理由
- タイ料理が次のブームを生み出すための具体的戦略
を分析・解説します。
1. 韓国料理が作り出してきたブームの流れ
韓国料理は、単なる「味」ではなく「体験」そのものをブーム化させています。
日本における主な流行を時系列で見てみましょう。
| 時期 | トレンドメニュー | 特徴 |
|---|---|---|
| 2018年頃 | チーズドッグ(ハットグ) | SNSで「伸びるチーズ動画」が拡散、原宿で行列 |
| 2019年頃 | チーズタッカルビ | シェアして楽しむ“ライブ感”が話題 |
| 2020年頃 | ピンス(韓国かき氷) | ビジュアルの美しさ・カフェ文化と融合 |
| 2021年頃 | 韓国マカロン(トゥンカロン) | カワイイ系SNS文化と親和性 |
| 2023年以降 | クロッフル・韓国カフェスイーツ | 世界観・空間デザインの完成度が高い |
ブームに共通しているポイント
- 見た目のインパクトが強く「写真映え」する
- 食べ方や体験が“楽しい”
- SNS(特にInstagram・TikTok)で拡散される要素がある
- 店舗の世界観・デザイン性が統一されている
つまり、韓国料理のブームは「食+デザイン+SNS拡散」が三位一体となって成立しているのです。
2. 韓国料理が「カルチャー」になる理由
単に“美味しい料理”ではここまでの広がりは生まれません。
韓国料理がカルチャー化する背景には、社会的・文化的な仕組みがあります。
① メディアミックスと連動している
K-POPや韓国ドラマの中で、食が自然に登場します。
ドラマの中で主人公が食べていた料理が現実のトレンドになる、という現象です。
例:ドラマ『愛の不時着』→ チキンとビール(チメク)ブーム
韓国は「エンタメ × 食文化 × 観光」が国家戦略的に連携しており、
ファン心理を動かす導線が非常に上手く設計されています。
② ブランドとしての一貫性
韓国のカフェやレストランは、店舗デザイン・食器・ロゴ・ユニフォームまで一貫したビジュアル戦略があります。
「韓国っぽい=おしゃれ」という共通認識がSNSで成立しており、
料理だけでなく“世界観”ごと消費されているのです。
③ 「体験型」マーケティングの徹底
チーズが伸びる、氷がふわふわ、カラフルなドリンクなど、
「動画に撮りたくなる仕掛け」**が最初から設計されています。
これが拡散されることで、広告費をかけずに口コミが爆発します。
3. タイ料理がブームを作るためにできること
タイ料理も実は、韓国料理に負けないカルチャー要素を多く持っています。
しかし現状では、「辛い」「本格派」などの固定イメージが先行し、
“新しさ”や“映え”の要素がまだ十分に打ち出されていません。
ここからは、タイ料理が次のアジアカルチャーの主役になるための実践的アプローチを考えていきます。
① 「タイらしさ×トレンド感」のデザイン
今の消費者は、“異国感”よりも“おしゃれ感”を重視しています。
伝統的な要素を保ちつつ、現代的にアレンジされた見せ方がカギです。
例:
- タイティー×スイーツ(タイティープリン、ミルクティータルトなど)
- トムヤム風パスタやカオマンガイサンドなどの“ネオタイ”メニュー
- カラフルなハーブやフルーツを活かしたドリンク
② 空間づくりと体験設計
韓国カフェの成功ポイントは「空間そのものが世界観」になっていること。
タイ料理店も、“南国タイの雰囲気”や”エスニック感”を現代的に再現するデザインが求められます。
アイデア例:
- タイの市場(マーケット)をテーマにした内装
- 写真スポットになる「象」や「バンコクの看板」風装飾
- メニュー表やBGMも“旅気分”を感じられる統一デザイン
③ SNS戦略を「体験型」に変える
単に料理写真を投稿するだけでなく、
「お客様がシェアしたくなる体験」を設計することが重要です。
- 香り・音・色など、動画で伝わる要素を演出
- オリジナルのハッシュタグを作る(例:#タイカフェ時間 #タイ旅ごはん)
- インフルエンサーとコラボしたメニュー企画
これにより、SNS上で自然発生的に「タイ料理=おしゃれ・楽しい」という印象が広がります。
④ ストーリーブランディング
「なぜこの料理を出すのか」という背景の物語を発信することで、ファンが増えます。
たとえば:
“このメニューは、バンコクの学生街で人気のランチを再現しています。”
“タイのチェンマイで出会った、家庭料理を日本風にアレンジしました。”
このように「人」や「地域」のストーリーを織り込むと、SNSでも“語りたくなるブランド”になります。
まとめ:食を「体験」に変えた国がカルチャーを制する
韓国料理の成功は、単なる味や流行ではなく、「食を通じた文化体験のデザイン」にあります。
- SNSで拡散される仕掛け
- ブランドとしての一貫性
- エンタメ・音楽・ファッションとの連携
これらを意識的に作り上げた結果、韓国は世界的に“カルチャー輸出国”となりました。
タイ料理にも、同じ可能性があります。
今こそ、「食+デザイン+体験」を掛け合わせ、「食べるカルチャー」から「感じるカルチャー」へと進化させる時期です。
