タイマッサージ店やリラクゼーションサロンを運営していると、つい「自分が心地いいか」「自分が納得できるか」で判断してしまうことがあります。
しかし、その“感覚のズレ”こそが、知らないうちにお客様の満足度を下げてしまう原因になることも少なくありません。
「自分たちには普通」でも、お客様には違和感
毎日働いているお店の香り、照明、音楽、インテリア。
オーナーやスタッフにとっては「慣れた空間」でも、初めて訪れるお客様にとってはすべてが新鮮です。
たとえば、
- BGMやインテリアがエスニックすぎて落ち着かない
- 入口に貼られたメニュー表が色あせていて読みにくい
- マッサージ後のシャワーで使うシャンプーやソープの香りが強すぎる
- 電話対応がフレンドリーすぎて雑に感じられる
こうした些細な点は、スタッフ自身ではなかなか気づけません。
でも、お客様の第一印象を左右する大きな要素になります。
「お客様目線」=“初めて来た人の気持ち”で見ること
お客様目線とは、「お客様の立場で考えること」と言われますが、
実際には“初めて来た人の気持ちで店を見ること”です。
初めて来店するお客様は、どんなことに不安を感じるでしょうか?
- 予約なしでも入れるのか?
- 施術の流れがわからない
- 料金がはっきりしない
- 女性一人でも安心して入れる雰囲気か
こうした疑問や不安を、言われる前に解消してあげるのが「本当のお客様目線」です。
それは、技術よりも前に伝わる“安心感”を作ることでもあります。
「良い店」は、店主のこだわりより“伝わり方”で決まる
お店を長く続けていると、「こういう雰囲気がタイっぽくて好き」「自分が落ち着くからこれでいい」と、自分の好みに寄ってしまうことがあります。
でも、来店するお客様は“タイらしさを感じたい”というよりも、“リラックスしたい・癒やされたい”という目的で来ています。
たとえば、
- 現地そのままの装飾や音楽が、かえって異国感を強めて緊張させてしまう
- スタッフ同士のタイ語の会話が、お客様には「自分のことを話しているのかな?」と感じさせてしまう
こうした“伝わり方のズレ”は、意図しなくてもお客様を遠ざけてしまうことがあります。
「タイらしさ」と「日本人にとっての心地よさ」、その両方を意識することで、居心地の良い空間が生まれます。
一度“お客様のふり”をしてみる
もし最近、お客様からの感想が減っていたり、リピート率が下がっているようなら、
一度、自分が「お客様になって」店を体験してみましょう。
- 入店してから受付までの導線はスムーズか
- 店内の温度や香りはどう感じるか
- トイレや更衣室は清潔に保たれているか
- マッサージ後に使うタオルやアメニティは快適か
- 退店時の印象はどうか
また、信頼できる友人やお客様に「正直な感想」を聞いてみるのも効果的です。
ときには少し耳の痛い意見もあるかもしれませんが、それが一番の改善ヒントになります。
「お客様の感覚」は日々変わっていく
お客様の感覚や期待は、時代とともに変わります。
昔は当たり前だったサービスや雰囲気も、今は「古い」と感じられることがあります。
だからこそ、定期的に「お客様目線」でお店を見直すことが大切です。
技術に自信があるお店ほど、“おもてなしの感覚”が鈍ってしまうことがあるからです。
お客様が心からリラックスできる空間は、“技術の上手さ”ではなく、“気づく力”から生まれます。
今回のチェックポイント
- 香り・音・光・清潔感を「初来店のつもり」で見直してみる
- スタッフ同士の会話や接客トーンは適切か確認
- お客様の不安を先回りして説明できているか
少しの意識のズレを直すだけで、お店の印象は驚くほど変わります。
本当の「お客様目線」を育てることが、長く愛されるお店づくりの第一歩です。
